時として

梅雨、露、つゆのはじまりの音がした。

突然の雨に走り出す人、傘を開く人、軒に逃げこむ。

濡れても濡れても、もう考えることも出来ず、ただただゆっくり歩を進める男。

薄ら笑う声も彼には届かない。